技術情報

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ロールスリッター

2024年12月27日

中古スリッターを使うメリット・デメリット!新品が良い理由も紹介

スリッターは製造業で欠かせない重要な機械ですが、新品は高価で導入にコストがかかります。そのため、「中古スリッターを検討したい」と考える企業も多いでしょう。

中古スリッターは安く手に入るというメリットがある一方で、性能の劣化やメンテナンスの難しさといったデメリットも存在します。本記事では中古スリッターのメリット・デメリットを詳しく解説し、新品を選んだほうがよい理由も詳しく説明します。

スリッターの導入を検討している企業の中には、このように考える方もいるでしょう。

「スリッターを使用しているが、熟練度が必要で操作や調整が難しい」
「材料が必要なときに必要な分だけスリットをしたい」
「誰が使っても同じ品質や精度になるようにしたい」

このような方におすすめなのがロールスリッターです。ロールスリッターはこれまでに40製品以上もの特許や実用新案を取得したキンダイが開発した独自技術です。通常のスリッターに比べて次のような特徴があります。

項目 スリッター

ロールスリッター

スリッター刃枚数 複数枚 1枚
スリッター刃種類 シェアカット(シャーカット)
レザーカット(フェザーカット)
スコアカット
片刃
両刃
チップソー
スリット方式 ロールtoロールでスリット 紙管ごとスリット
スリット対象 フィルム、シートなどの連続した素材 ロール状の原反(紙管付き)
熟練度 熟練技術が必要で属人的な機械になりやすい タッチパネルで簡単設定、初心者や女性向き
精度や品質 高精度 安定した精度
作業効率 高速で大量生産向き
※同じ材料を生産する場合に限る
待ち時間なく効率的に、必要な分だけスリット可
安全性 操作者の技術による 刃物は使用中以外カバー内で安全
メンテナンス 刃物交換や位置調整が高難易度 誰でも簡単に交換や調整可
対象ニーズ 生産性重視、高精度重視 操作性や安定性重視
在庫削減や納期短縮に貢献
対象素材 小範囲
※素材によって機種が変わる
広範囲
※1台で広範囲に対応可

本記事では、ロールスリッターの刃についても詳しく解説します。

ロールスリッターとスリッターの違いについて詳しくはこちら

 

スリッターとは

スリッター

複数枚の刃物を使用してロールtoロールで材料を巻き出してスリットを行い、指定された巻きメーター数で材料を巻き取る機械です。さらに、連続した1枚のシートをスリットすることが可能なので、より安定した精度で加工を実現することができます。

大きく分けて、スリッターには3種類のスリット方式があります。材質、切断幅、加工条件を基に「シャーカット方式」「スコアカット方式」「レザーカット方式」を使い分けてスリットを行なうことができるので、不織布、紙、フィルム、シート、塩ビや各種シートなどさまざまな材料をスリット加工することができます。仕様によって異なりますが、スリッターの価格は非常に高価で、一般的に数千万円以上が相場です。

ロールスリッター

ロールスリッターは、ロール状に巻かれた材料を丸刃でスリットする機械で、老舗スリッターメーカーのキンダイが独自開発したオリジナル商品であり、他社にはない唯一無二のスリッターです。したがって、価格は予算に応じたカスタマイズできるのがキンダイの強みになります。

リーズナブルな価格以外にも、ロールスリッターは「従来のスリッターにあった課題を解決することができる」として高い評価を得ています。例えば、従来のスリッターは操作に熟練を要し、作業に手間がかかっていました。しかし、ロールスリッターはタッチパネルで簡単に操作できるため、新人や女性でも安心して操作可能です。

ロールスリッターについて詳しくはこちら

中古スリッターのメリット

スリッターは一般的に非常に高価ですが、中古であれば安く手に入れることが可能です。ただし、中古スリッターにはメリットとデメリットがあるため注意が必要です。

ここではまず、中古スリッターのメリットについて説明します。

コストを削減できる

中古スリッターは、新品と比べて価格が大幅に抑えられている点が大きなメリットです。予算が限られている場合でも、初期費用を抑えながらスリッターを導入できます。

販売店や仲介業者によっては、メンテナンスが行き届いた状態で販売していることもあります。状態を見極めることができれば、新品に近い状態のスリッターを安価で手に入れられる可能性があるでしょう。

スリッターを安く手に入れることができると、浮いた費用を人材育成や研究開発、マーケティングなどに投資することも可能です。

迅速に導入できる

スリッターを必要とする企業にとって、納期は非常に重要です。新品のスリッターは受注生産となることが多く、仕様決定から納品まで半年以上かかる場合もあります。

中古スリッターはすでに在庫として存在しているため、発注から納品までが非常にスムーズです。場合によっては、数週間以内に導入することも可能です。

迅速に導入することで、時間が無駄にならず、効率的な作業が実現できます。また、急な生産量の増加や設備の故障によるライン停止などにも迅速に対応できます。

中古スリッターのデメリット

中古スリッターは初期費用を抑え、迅速に導入できるというメリットがある一方で、デメリットもあります。

中古スリッターの導入を検討する際は、しっかりとデメリットも理解しておきましょう。

新品に比べて性能が劣る

中古スリッターは購入前に状態をよく確認し、試運転を行うなどして性能を確かめることが重要です。すでに使用されているものであるため、新品と比べて性能が劣っていたり、精度が落ちていたりする可能性があります。

特に、前の所有者がどのように使用していたか、メンテナンスを適切に行っていたかによって状態は大きく異なります。

メンテナンスや修理が難しい

中古スリッターは部品の供給が終了していたり、修理に対応してくれる業者が限られていたりする場合があります。部品などが安く手に入ったとしても、故障した場合の修理費用が高額になったり、修理に時間がかかったりする可能性もあるでしょう。

特に、電気部品(PLC、インバーターやサーボモーターなど)は廃盤になっているケースが多く、メンテナンスが十分にできない場合も少なくありません。交換修理をしようとすると、電気部品一式でのオーバーホール修理が必要になるケースがあり、コストと時間が非常にかかります。

故障する部品をあらかじめ特定することは極めて困難です。そのため、基本的には故障してから部品を手配することになります。しかし、故障してから手配すると機械の稼働を止めておく必要があり、生産性に悪影響が生じかねません。

保証がない

新品スリッターの場合、メーカー保証が付いていることが一般的です。中古スリッターの場合、保証がないか、あっても保証期間が短いことが多いです。そのため、購入後に故障した場合、修理費用を全額自己負担しなければならない可能性があります。

また、新品スリッターの場合、メーカーや販売店から導入後のサポートを受けられることが多いです。中古スリッターの場合、サポート体制が整っていない場合があり、操作方法やメンテナンス方法などについて自分で情報収集する必要があります。

流通量が少ないためほしいときに手に入らない

スリッターは特殊な機械であり、製造台数が限られているため、中古市場に出回る数が少ないのが現状です。希望する仕様や状態の中古スリッターを見つけるのは難しく、購入までに時間がかかったり、妥協を強いられたりすることもあります。

スリッターは、新品を選んだほうがよい理由

スリッターの導入には中古という選択肢もありますが、長期的な視点で見ると、新品で購入することをおすすめします。

ここでは新品を選んだほうがよい理由を3つ紹介します。

高い精度と性能が保証されている

スリット加工において、精度は製品の品質を左右する重要な要素です。中古スリッターの場合、経年劣化や過去の使用状況によって、加工の品質に影響を与える可能性があります。

新品スリッターは最新の技術と設計に基づいて製造されているため、安定した品質の製品を生産でき、顧客の信頼を得ることが可能です。

長期的な安定稼働が見込める

スリッターは生産ラインにおいて重要な役割を担うため、安定した稼働が求められます。新品スリッターは使用履歴がないため、中古より故障するリスクが低くなります。

また、メーカーからの保証やサポートがあるため、万が一のトラブル時にも安心です。予期せぬ生産停止や修理費用の発生も最小限に抑えることできるでしょう。

最新の機種ではトラブル発生時にタッチパネルで異常履歴や診断チェックができるものもあり、故障の原因を追究するスピードが格段に上がっています。

柔軟にカスタマイズできる

新品スリッターは自社の生産ニーズや仕様に合わせたカスタマイズが可能です。そのため、特定の製品や材料に適するスリッターを導入でき、生産効率や品質の向上につなげることができます。

例えば、安全仕様を追加したい場合は安全カバーを設置したり、機械幅を狭めたい要望がある場合はコンパクト仕様にしたりするなど、お客様の要望に合わせた設計が可能です。また、中古スリッターでは対応できない安全基準やオプションにも適合できます。

キンダイのスリッターラインナップ

今まで説明してきたように、長期的な視点で見ると新品のスリッターがおすすめです。ただ、スリッターにはさまざまな種類があります。中には「どれを選べばよいかわからない」という方もいるでしょう。

当社の中で高い人気を誇るのが「ロールスリッター」です。ここではロールスリッターについて解説し、フィルムロールスリッターや通常のスリッターについても紹介します。

ロールスリッター

キンダイのロールスリッターは、ロール状の材料を1枚の刃物でスリット加工する高性能スリッターです。タッチパネル操作によりカット幅や個数を6段階で簡単に設定でき、新人や女性の方でも安心して操作できます。

高性能モーターが搭載されているため、生産効率が従来比で約3倍から4倍向上し、高速かつ高精度な加工を実現しています。さらに、刃物の切り込み前進は3段階の自動変速機能付きで、原反の材質や巻き硬さに応じた高品質なスリット加工が可能です。

電動チャックは圧力調整が可能で、原反に優しく自動で固定します。また、研磨装置がカット数に応じて自動で刃先を研磨し、常に良好な切れ味を維持します。安全面にも配慮し、スリット加工中以外は刃物をカバー内に収納する設計です。

ロールスリッターについて詳しくはこちら

フィルムロールスリッター

キンダイのフィルムロールスリッターは、ロール状のフィルム素材を高精度にスリット加工するためのスリッターです。特殊なチップソー刃を使用し、粘着フィルムやPP・PE各種フィルム、ビニールシートなどさまざまな素材に対応しています。

フィルムロールスリッターには2つの種類があります。

  • 高速全自動フィルムロールスリッター
  • 自動フィルムロールスリッター

高速全自動フィルムロールスリッターは、メカシャフトで安定した品質を実現したロールスリッターです。軸中心で原反をチャッキングすることにより、回転振れを防止します。

自動フィルムロールスリッターは特殊形状のチップソーで綺麗なスリット面を実現したロールスリッターです。

フィルムロールスリッターについて詳しくはこちら

スリッター

キンダイのスリッターはシャーカット、スコアカット、レザーカットの3種類のスリット方式を備え、原反の材質や特性に応じた最適な刃物を選定できます。ラインスピードは最大約40m/minと高く、生産性が従来型より大幅に向上ています。

巻き出し・巻き取り側にはテンションコントロールを搭載し、安定したスリット加工と高品質な巻き取りが可能です。さらに、スイング式シャフトにより、原反の挿入・取り出しがスムーズに行えます。

EPC(原反蛇行制御装置)で耳端をズレなく一定位置に保つため、仕上がりの精度も抜群です。コストパフォーマンスに優れた低価格モデルも用意し、さまざまな生産現場で活躍します。

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スリッターならキンダイ

スリッターなら創業1945年の老舗スリッターメーカーであるキンダイにお任せください。

スリッターは中古でも手に入れることができます。しかし、性能の劣化や修理・メンテナンスの難しさなど、デメリットがある点に注意が必要です。長期的にスリッターを使用する場合は、新品を選ぶのが賢明です。

近年スリッターから乗り換える方が圧倒的に多いのが「ロールスリッター」です。従来のスリッターが抱えていた作業者の熟練度に対する課題をすべて解決できます。

ロールスリッターはタッチパネルで簡単に設定できるため、熟練技術が不要で安定した品質を保ちながら作業が可能です。これまでに40製品以上もの特許や実用新案を取得した経験を活かし、あらゆるお客様のニーズに対応可能です。

最近リニューアルしたショールームでは、実際の製品を体感していただけます。ご要望の方にはテストカットを受け付けておりますので、お気軽にお越しください。

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キンダイは近代的な技術で世界を変えていく

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