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技術情報
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ロールスリッター
2020年07月06日
ロールスリッターの丸刃には、「片刃」と「両刃」の2種類があります。
材料の材質、巻き硬さやスリット幅などに応じて「片刃」と「両刃」を使い分けて、高品質かつ高精度のスリット加工を実現します。どちらの形状にも一長一短の特長が兼ね備えており、今回は一般的に考えられる特長をご紹介させていただきます。
形状の違いについて名前からも分かる通り、
片刃は、片面に刃がついている
両刃は、両面に刃がついている が形状の違いです。
刃物の断面を簡単な図で表すと、下記のようになります。
片刃は両刃に比べて刃先が鋭利な点から、切れ味の良さやスリット面の綺麗さは両刃よりも、圧倒的に優れています。品質の良さだけではなく、寸法精度も両刃より高精度に仕上がります。他にも、刃先の鋭利さを活かして細い幅のカット(スライスカット)も得意としています。
刃先が鋭利なため摩耗しやすく、スリットする材料によっては、定期的に刃先を研磨する必要があります。(当社製品では、研磨装置を標準装備しておりますので、いつでも簡単に刃先の研磨をすることができます。)また、太い幅のスリットは刃先が鋭利なため大きく負荷がかかり、丸刃が材料に負けてしまう可能性があり、片刃は不向きとしています。
簡単にメリットとデメリットをまとめると、
メリット
・切れ味とスリット面の綺麗さは、圧倒的に優れている
・細い幅のスリットが得意
デメリット
・刃先が摩耗しやすい
・太い幅のスリットは不向き
両面に刃が付いており、刃先が片刃よりも鈍角になるため、材料に対する力が均等に加わり片刃よりも直進性に大変優れています。巻き硬さが硬い材料や重量物などをスリットするのに最適な形状です。それに加えて太い幅をスリットする際にも同様に直進性が必要になりますので、両刃を使用すると綺麗にスリットすることが可能。また、刃先角度が片刃よりも鈍角なので刃先が摩耗しにくい点もメリットの1つになります。
刃先が鈍角なため細い幅のスリットをする際は、刃物角度振り装置のオプションを付ける必要があります。(刃物角度振り装置を付けると不向きとされている細い幅や柔らかい材料のスリットも可能になります。)また、片刃に比べて切断面の仕上がりが若干粗くなる傾向にあるため、より切断面の品質や精度を追求されるスリットは、両刃は不向きとしています。
簡単にメリットとデメリットをまとめると、
メリット
・巻き硬さが硬い材料や重量物に最適
・太い幅のスリットが得意
デメリット
・切断面の仕上がりが片刃より若干粗くなる
・細い幅のスリットには不向き
片刃 | 両刃 | |
スリット幅 | 細い幅が得意 | 太い幅が得意 |
材料の巻き硬さ | 柔らかめが得意 | 硬めが得意 |
切断面の仕上がり | ◎ | ◯ |
刃物の寿命 | △ | ◯ |
※当社製品の標準仕様での比較となります。
丸刃の形状選定は、材料の材質、巻き硬さやスリット幅に応じて大きく変わります。当社は、創業以来75年の経験でお客様の材料に最適な丸刃を選定させていただきます。また、丸刃材質、丸刃形状や刃先角度など、多数の刃物種類を用意しております。丸刃はスリット加工をする上で「生命線」になりますので、より高品質かつ効率的にスリット加工できる丸刃を提案します。